映画「さらばあぶない刑事」を観に行きました
最終更新日:2016/05/22
映画「さらばあぶない刑事」を観に行きました。タカ&ユージの定年退職までの5日間を描いた作品です。シリーズ最後の作品と言うことで、楽しみでもあり不安な気持ちも抱えつつ観ました。本記事ではあらすじやキャラクターについて触れていますが、致命的なネタバレは特にありません。
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過去のあぶない刑事
1986年に始まったテレビドラマがこの作品の原点です。舘ひろし演じる鷹山敏樹(通称:タカ)と柴田恭兵演じる大下勇次(通称:ユージ)の名コンビが繰り広げる刑事ドラマです。二人とも破天荒ながら格好良く、コミカルな演技も他の刑事ドラマにはない魅力でした。当時の中高生の多くがはまった作品でもあります。かく言う私もそうでした。
テレビシリーズ終了後も本作を含めて7作も映画化されています。私の大好きな作品なのですが、私にとって映画として面白かったのは3作目の「もっともあぶない刑事」までです。3作目まではテレビドラマの雰囲気を保ったままなので、テレビから違和感なく見ることができます。また、中条静夫演じる捜査課の近藤課長の存在も大きかったです。残念ながら中条静夫は1994年に亡くなられたため、4作目以降は出演していません。近年、あぶない刑事の顔は、舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオルの4人とされている感じですが、個人的には中条静夫を含めて5人かなと思います。ちなみに現在、舘ひろし65才、柴田恭兵64才で、テレビ放映開始時の中条静夫の年齢が60才なので、2人とも当時の近藤課長の年齢を超えてしまっています。そう考えると本当に長い作品だなと思います。
映画の4作目以降は前述の通り、私はあまり好きではありません。今回改めて4作目の「あぶない刑事リターンズ」を見直しましたが、コミカルな要素が強すぎて、脚本も荒唐無稽でテレビシリーズの雰囲気がほとんどありませんでした。5作目以降を見直してはいませんが、どれもいまいちだった記憶があります。
と言う様な思いもあって、映画が楽しみでもあり、不安でもあると言う思いを抱えながら観てきました。
感想
不安は杞憂でした。あぶない刑事シリーズの最後を飾るにふさわしい作品だと思います。ファン目線ではありますが、星5つ評価で星5つです。不満が全然無い訳ではありませんが、私としては納得の内容でした。
銃撃戦、アクション、カーチェイス、お馴染みのユージが走るシーン、タカがバイクからショットガンをぶっ放すシーン等々、盛り沢山でした。本作では、シリーズ最強最悪の敵としてキョウイチ・ガルシア(吉川晃司)が登場します。確かに最強最悪でした(是非映画館でご確認下さい)。そのため、緊迫感のあるシーンも多いのですが、俳優陣の軽妙なやり取りに笑ってしまうシーンも多く、とてもメリハリが効いていて良かったです。最初から最後まで引き込まれながら観ていました。「うどん」のくだりはアドリブだそうです。おそらく、本作でも観客の気づかないような多くのアドリブがあるのでしょう。
ストーリーは、舘、柴田、監督、脚本家、プロデューサーが撮影前に集まってきっちり作り上げたと言うだけあって面白かったです。4作目以降はストーリーが破綻している部分もかなり見受けられましたが、本作ではほとんど感じませんでした。
俳優陣は亡くなられた方を除くと過去出演された方が多く出演されていました。そもそも、監督、脚本家、撮影等、テレビシリーズから担当している多くのスタッフが集結、良くこれだけのメンバーが集まったなと思います。ちなみに、監督の村川透は78才、撮影の仙元誠三は77才です。彼らの年齢を考えると、本作はあぶない刑事を作る最後の機会だったのだと思います。終盤に町田透(仲村トオル)が赤レンガ倉庫でスピーチをするシーンがあるのですが、30年間の作品に関わった人を思い描いて演じていたそうです。ファンとしても感慨深いものがありました。
新顔の俳優陣の演技も良かったです。若手俳優では、ディーノ・カトウ役の夕輝壽太が印象に残りました。何をしでかすか分からない、凶悪で獰猛な雰囲気がとても出ていました。カポエラと柔術の練習を積んだと言うだけあって、アクションシーンも今までのあぶデカにないものになっていたと思います。
悪役で最も印象に残ったのは、やはり吉川晃司です。この人は悪役が似合います。地味に関心したのは、英語、ロシア語、中国語、ポルトガル語(スペイン語かも)のセリフを喋っていたことです。本作の撮影前にバイクの練習で全治2ヶ月の重症(左足粉砕骨折)を負いましたが、アクションシーンの撮影までに直したそうです。アクション監督の話によると、メンタルコントロールで自分に言い聞かせて直したのではないかとのことです。作中ではずっと杖を突いているのですが、怪我が原因の後付け設定のようです。肝心のバイクを使ったアクションシーンは、ジャックナイフを決めたり、自在にコントロールしているように見えました。とても重症を負ったとは思えない迫力でした。
まだまだ書き足りない事が多いのですが、今まであぶない刑事を見たことがない人でも楽しめる作品です。最後の作品という事で残念な気持ちもありますが、この作品をもってタカ&ユージの活躍を見納めとしたいと思います。
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パンフレット
価格は820円です。サイズはA4版(297×210mm)です。表紙がタカ、裏表紙がユージです。表紙には「ユージ、すまん。俺ひとりで表紙だぜ。」、裏表紙には「タカ、ごめん。俺が裏表紙で大トリだぜ。」と小さく書いてあります。
内容は、ストーリー紹介、インタビュー記事(舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、吉川晃司、菜々緒、監督以下スタッフ)、キャラクター解説、プロダクションノートなどです。インタビュー記事は読み応えがありました。全編カラー(写真はモノクロ)です。ファンなら買って損はしない内容だと思います。